【書評】『コンピュータはなぜ動くのか』は基礎から学べる!新米エンジニアが読んでみた感想

技術書

「エンジニアになったばかりで、コードは書けるけど仕組みが分からない…」
「IT系の資格を取りたいけれど、ハードウェアやソフトウェアの基礎があやふや…」

そんな方にオススメなのが、『コンピュータはなぜ動くのか 第2版』です!

『コンピュータはなぜ動くのか 第2版』ってどんな本?

本書は、2003年に出版された『コンピュータはなぜ動くのか』の大幅改定版として、2022年に19年ぶりに登場しました。

著者は『プログラムはなぜ動くのか』で知られる矢沢久雄氏で、前作に対して「内容が難しくて理解できなかった」という読者のフィードバックを受けて、徹底的に基礎から説明する構成に進化しています。

書誌概要

書名コンピュータはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいハードウエア&ソフトウエアの基礎知識
著者矢沢 久雄
発行年2022年
出版社日経BP
ページ数276ページ
<10/17新刊>『コンピュータはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいハードウエア&ソフトウエアの基礎知識』
『コンピュータはなぜ動くのか』19年ぶり、待望の改訂第2版! 「これからの10年も通用する基本」を身につけよう!

章立て

  1. コンピュータの3大原則とは
  2. コンピュータを作ってみよう
  3. 一度は体験してほしいアセンブラ
  4. 川の流れのようにプログラムは流れる
  5. アルゴリズムと仲良くなる7つのポイント
  6. データ構造と仲良くなる7つのポイント
  7. オブジェクト指向プログラミングを語れるようになろう
  8. 作ればわかるデータベース
  9. ネットワークコマンドでネットワークの仕組みを確認する
  10. データを暗号化してみよう
  11. そもそもXMLって何だっけ
  12. SEはコンピュータ・システム開発の現場監督

おすすめポイント

普段は意識しない仕組みを知ることができる

現代では、技術が発達しているために、エンジニアとして働き始めても、中々コンピュータの中身を意識することはないと思います。

しかし、本書ではそんな普段意識することのない「コンピュータの仕組み」を理解することができます。

たとえば第2章「コンピュータを作ってみよう」では、巻末に付属している紙の回路図を利用して、流れるデータや制御信号の役割を確認して、配線を色鉛筆でなぞっていくことで、コンピュータの動作原理を知ることが出来ます。

また、第3章ではCASL Ⅱ シミュレーターという無償ソフトを使って、アセンブラでプログラムを作成する体験をし、実際に手を動かしてコンピュータの理解を深められる構成になっています。

IPA試験の対策にもなる!

本書は、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の対策本としても非常に役立ちます。

試験範囲であるハードウェア・データベース・ネットワークといった基礎知識が解説されているので、知識の丸暗記ではなく、本質の理解につながります。

さらに、各章の冒頭には「ウォーミングアップ」という初級・中級・上級に分かれたクイズがあり、読者の理解を自然に深めてくれます。

たとえば、以下に第2章27頁からクイズを引用します。
これらの基本的な問いにスムーズに答えられるようになると、知識の定着を実感でき、自信にもつながります。

初級問題
CPUは何の略語ですか?

中級問題
Hzは何を表す単位ですか?

上級問題
CPUが持つアドレス線が16ビットの場合に、指定できるアドレスの範囲は、何番地~何番地ですか?

オススメしたい人、オススメできない人

こんな人にオススメ!

  • ハードウェアの仕組みを知りたい駆け出しエンジニア
  • 前作『プログラムはなぜ動くのか』を難しく感じた人

逆にオススメできない人

本書の前半(1〜3章)はコンピュータの基本的な仕組みにフォーカスしていますが、後半ではネットワークやXMLなど幅広いトピックに話題が広がります。

内容は分かりやすく興味深かったですが、「CPUやメモリ、OSなどの低レイヤの話に特化した内容を期待していた」という方には、やや物足りなく感じるかもしれません。

まとめ:次は『プログラムはなぜ動くのか』へ

『コンピュータはなぜ動くのか 第2版』は、初心者でも無理なく読めるコンピュータの仕組みに関する入門書です。

「なんとなく使っているけれど、中身はブラックボックス…」と感じているなら、本書がそのもやもやを解き明かしてくれるはずです。

まずはこの一冊で土台を築き、次のステップとして前作『プログラムはなぜ動くのか』へ進んでみてはいかがでしょうか?

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